蔵の解体作業

入間市の指定文化財・旧黒須銀行が所有していた明治時代からある大きな質蔵。
歴史的にも重要な蔵でしたが、老朽化のため止む無く取り壊されることになりました。
近隣のご迷惑にならないよう、手作業でていねいに解体してゆきました。
瓦をはがす作業ももちろん手作業。1枚1枚ていねいにはがしてゆきます。
鬼瓦をはずすと、中には折り重なった棟瓦の断面が。
瓦をはがすと、土や杉皮の下地、そこに7~9cmほどの竹などが打ってありました。
土を落とすと中から松の野地板が出てきました。取り外した瓦は大切に並べてあります。
それにしてもすごい量ですね!
約100年ぶりに日の光が質蔵に入りました。小屋組みには釘や金物を1本も使っていません。
細心の注意を払い、慎重にはずしてゆきます。
2階の大梁は幅7寸高さ18寸の立派な梁でした。大黒柱は松で300角。
節もなく、こちらも負けず劣らず立派なものです!
1本1本慎重にレッカーで吊り、下してゆきます。皆で息を合わせて…緊張感が伝わります。
梁をはずす作業は特に慎重に行います。
100年もの間、梁と大黒柱を繋いできた栗の木のシャチもきれいに外れました。
大黒柱が乗っていた石には炭が塗ってあります。
腐朽を防止するための先人の知恵です。
取り外した梁と大黒柱はどれも力強くすごい存在感です!
屋根土の下地は肉厚の真竹が使われていました。
巻きつけてある縄もしっかりとしています。
解体した古材は倉庫に運ばれ、新たな活躍の日までしばしの休息です。
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